トラブル対応事例
【メール送信エラー】Thunderbirdで突然送れなくなった原因と対処法を解説
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こんにちは。「biz-us クラウド」サポート担当です。
biz-usクラウドをご利用中のご担当者さまより、「メールソフトのThunderbirdからメールが送信できなくなった」というお問い合わせをいただきました。
本記事では、実際にあったメール送信エラーのトラブル事例をもとに、原因と具体的な解決方法をご紹介します。同様の問題でお困りの方は、ぜひご参考ください。
問題の概要
今回お問い合わせいただいたお客さまの環境と状況は以下のとおりです。
- ご利用環境:Mozilla Thunderbird
- 症状:メール送信時にエラーが発生し、送信できない状態
- 受信:正常に動作している
- その他:設定変更等は特に行っていない
見た目上は通常どおり利用できているのに「送信だけ失敗する」という現象は、担当者の方が最も判断に困るパターンのひとつです。
受信はできているため「ネットワークにはつながっている」と思ってしまい、原因の切り分けが進みにくいのが特徴です。
まず試すべき2つの対処法
Thunderbirdで送信エラーが発生した場合、いきなり複雑な設定を疑うのではなく、基本的な確認から進めることが大切です。今回の事例でも、以下の2点を順に確認しました。
対処法1:SSL/TLS設定の一時的な無効化(応急処置)
- Thunderbirdのアカウント設定を開く
メニューより「ツール」→「アカウント設定」を選択。 - 送信サーバー(SMTP)の設定確認
左側メニューで該当アカウントの「送信(SMTP)サーバー」→「編集」。 - SSL/TLS設定の変更
「接続の保護」設定を一時的に「なし」に設定。 - 送信テスト
設定保存後、メールの送信テストを実施し、通信が確立されるか確認。
これにより、SSL/TLSによる暗号化を強制せずに通信ができるかを確認できます。応急処置であり恒久的な解決策ではありませんが、原因切り分けの第一歩になります。
対処法2:SMTP認証設定の確認
認証エラーが表示される場合は以下をお試しください。
- 「認証方式」を「平文のパスワード認証」に変更
- ユーザー名がメールアドレス全体になっているか確認
- パスワードを再入力
認証設定が誤っていると、正しいサーバーに接続できても送信が拒否される場合があります。
原因と対応
今回のケースでは、Thunderbirdの SSL/TLS設定が有効になっていたこと が原因でした。
本来、TLS(Transport Layer Security)やSSL(Secure Sockets Layer)は通信を暗号化するための標準技術ですが、以下のような環境ではエラーが発生することがあります。
- 利用している送信サーバー(SMTP)がTLSに非対応
- 古いサーバー環境で、TLS1.2以降に対応していない
- メールクライアント(Thunderbird)がTLSを強制し、平文通信を許容していない
このため、サーバーとの通信が確立できず、送信だけ失敗していたと考えられます。
例えば以下のような環境が同じような現象になりやすいです。
- 送信サーバー(SMTP)がTLSに非対応、もしくはTLS 1.2以降に対応していない。
- メールクライアント(例:Thunderbird)がTLS強制設定となっており、平文通信へのフォールバックを許容していない。
もし同様の問題でお困りの場合は、まず基本的なSMTP設定の確認から始めて、順次他の要因もチェックしてみてください。
応急的な対応としては有効でしたが、セキュリティ面を考えると長期的に「暗号化なし」で運用することは推奨できません。
そのため、最終的には サーバーの設定やバージョンを確認し、TLS対応を進める ことを併せてご案内しました。
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